コーヒー豆の保存の難しさ
コーヒー豆の香りの秘密
コーヒーは味だけを楽しむものではありません。
香りを楽しむということも醍醐味の一つです。
コーヒー豆の香り成分は約700種類あると言われています。
あなたがコーヒー豆を焙煎した状態で購入したとしたら、コーヒーの香り成分の全てを
そのまま自宅で感じることは不可能でしょう。
ましてや、挽いた状態のコーヒー豆を購入した場合は更に香り成分は減っていることに
なります。つまり、一番オイシイ部分が欠如してしまっている状態なのです。
コーヒーの香りはコーヒー豆を挽くことによって、約半分になると言われます。
更に、焙煎後に時間が経つことにより、徐々に失われていくのです。
その秘密はどうやら、炭酸ガスにあるようです。
コーヒー豆と炭酸ガス
コーヒー豆を焙煎すると、炭素と酸素が化合することによって炭酸ガスを放出します。
この炭酸ガスの量が少なくなってくるとコーヒーを抽出したときの香りや味に悪影響を
もたらします。
しかも、炭酸ガスは豆を挽くことによって大量に放出されることがわかっています。
ですから、豆を挽いた状態で時間が経過したコーヒー豆から抽出したコーヒーは香りの
成分も旨味成分もなくなり、本当に美味しくないコーヒーとなってしまうのです。
コーヒー豆の保存の難しさ
コーヒー豆の鮮度は含んでいる炭酸ガスの量に比例していると言ってもいいでしょう。
しかし、鮮度を保ちたいからと言って、焙煎直後のコーヒー豆を密閉容器に入れて保存
すると炭酸ガスが放出されて保存容器が変形してしまいます。
袋容器に入れた場合、袋が破裂して中身が飛び出す危険も考えられます。
ですから、コーヒー豆を真空パックに入れるには、ガス抜きをして炭酸ガスが出ない
ようになってから行うしかありません。
ガス抜きは焙煎後の豆の状態で3〜4日、挽いた状態なら丸1日掛かると言われます。
つまり、誠に残念ながら、真空パックに入って販売されている状態で、既に新鮮な
コーヒー豆ではないと言えます。
コーヒー豆を新鮮な状態で保存するということは本当に難しいですね。